高齢化が加速し需要も増加
介護業界の需要は増加傾向にあります。これには、社会の高齢化が大きく影響しています。
挑戦しやすい業界
日本は急速に高齢化が進んでいます。それに伴い介護職の数も増加傾向にあります。2017年時点で、介護職員数は195.1万人でした。それが、2021年には214.9万人にまで増加しています。また、介護職に就くためには特別な資格を必要としません。意欲があれば挑戦できる環境が整っています。年齢や性別、学歴などが問われず、誰でもキャリアを形成できる点は、介護業界における最大のメリットといえるでしょう。無資格・未経験から挑戦し、働きながら資格を取得していけば、将来的に国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることもできます。仕事で得た知識や経験を自身のキャリアにそのまま反映できる点も、介護業界で働く人が増えている理由の1つです。実務経験を積むことで、将来的にはマネジメント職に就ける可能性もあります。
高齢化の影響
高齢化の現状を知ることで、介護業界の需要が増加している背景をより深く理解できます。厚生労働省によると、2022年10月時点の日本の総人口は1億2,495万人です。そのうち65歳以上の人口は3,624万人で、全体の29.0%が高齢者であることが分かります。現状の推移が続いた場合、2070年には2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になる計算です。
また、介護が必要な要介護者の数も増加傾向にあります。2017年時点での要介護・要支援認定者数は641.3万人でしたが、2021年には689.6万人まで増加しています。要介護者が増加すれば、当然ながら介護サービスのニーズも高まります。そのため、介護業界の需要がなくなる可能性は極めて低いといえるでしょう。
加えて、一人暮らしの高齢者が増加している点にも注目です。少子高齢化や核家族化に伴い一人暮らしの高齢者が増加しており、在宅で介護サービスを利用する人も増加すると考えられています。2020年時点での一人暮らしの高齢者数は671.7万人でしたが、2040年には896.3万人にまで増加すると予想されます。一人暮らしをしている高齢者の8割以上が日々の生活や将来に不安を感じているという調査結果もあり、そういった人々を支える介護職はなくてはならない存在です。
より詳しく知りたい人へ
高齢化に伴う様々な問題については、他の業界でも生じています。飲食や倉庫・物流などの分野でも影響が出ています。高齢化の現状と将来像について、より詳しく知りたい人は以下に紹介するページを参考にしてください。高齢化の現状推移や将来推移などについて、グラフを交えながら詳しく紹介しています。介護業界に転職することを考えている人は、事前に確認しておきましょう。