介護業界が未経験でもできる仕事

介護施設は、利用者にとって日々の生活の場です。快適な生活を守るためにも、施設内の清掃は欠かせない業務です。特に重点的に清掃すべきなのは、食堂や廊下、トイレ、洗面所などです。利用者の居室を清掃することもあるでしょう。大規模な施設では清掃を業者に依頼しているケースもあります。しかし、小規模な施設の場合、職員が清掃業務を担うケースが多いです。

介護施設で提供する食事は専門のスタッフが調理します。しかし、配膳・下膳については他の職員が担当します。利用者の状態は様々で、それに応じた食事が提供されます。嚥下機能が衰えている利用者に対しては、通常食ではなくきざみ食やソフト食が用意されるでしょう。事故を防ぐという意味でも、食事の配膳は間違いなく行うようにしなければなりません。そのためには、利用者の顔や名前をいち早く覚えることが大切です。

利用者が使うベッドのシーツは定期的に交換しなければなりません。寝たきりの場合は、シーツ交換や洗濯が特に大切です。使用済のシーツの洗濯に関しては、業者に任せるケースもあります。シーツ交換やベッドメイキングに関しては、介護の経験がなくても比較的簡単にできる作業です。

介護職が未経験でも、事務作業が得意な人は介護事務がおすすめです。介護報酬の請求作業や電話対応、来客対応などを担当します。パソコンを使用するので、パソコンスキルを持つ職員が兼任するケースもあるようです。また、外部の人と関わる機会も多いので、コミュニケーションスキルが求められます。

条件つきですが、利用者の身体介護を任せてもらえることもあります。ただし、訪問介護で身体介護を実施する際は介護職員初任者研修を取得していなければなりません。デイサービスや有料老人ホームなどの介護施設では、有資格者の指示に従う形である程度の身体介護を実施できます。未経験者の場合は、専門的なケアよりも清拭や着替えといった比較的簡単な作業から始めることになるでしょう。

未経験者が介護業界に転職する場合は、仕事をするにあたって何を大事にするのかを踏まえて職場を決めましょう。例えば、介護に関する知識や技術についてより深く学びたいのであれば、入所施設がいいでしょう。入所施設は夜勤もあって大変ですが、職員数が多いので教育制度が充実しています。また、幅広い経験を積めるので、今後のキャリアにも有利に働くでしょう。